ゆめゆめ油断めされるな

*記事中に作品のネタバレを含みます



「リボンの檻」 我那覇響

酷くないP

もしもあなたが酷くないP作品をみつけた場合、決して投稿者コメだけを見て油断してはならない。



(記事格納↓)


確かに彼のコメントには思わず笑ってしまうし、脱力してしまう。だが、それすらも彼一流の演出の一部に他ならないのである。

物語序盤ではゆるい話で視聴者の心理をリラックスさせる。
中盤にはちょっと緊張感を高めるシーンが入る。
その緊張感をいったん抜いて、安心感のあるシーンが描かれる。
だが最後になって隠されていた最大のショックが、じわりとその顔を見せる。

この緊張感のコントロールが抜群だ。
油断したが最後、あなたはそのサスペンスの術中に取り込まれてしまうのである。







・・・なんだか書きなれないノリで書いてたらくたびれてきた。ここからはいつもの調子で。

そんなわけでノベマス連作怪談集「七六五(仮)」シリーズの酷くないPが、新作を発表されました。本作は一応ラブイチャものと銘打たれていますが・・・ホラー風の演出もあって一筋縄ではいかない感じです。普通に怖かった。

裏を読みすぎといわれそうですが、作品の根幹にホラー小説技法のエッセンスがつぎ込まれているのは確かだと感じます。




人間心理の闇ってモンスター映画より怖いものですよね。特に恋愛の狂気性というテーマは、今日のヤンデレブームに呼応するところもあってかホラーと相性がよいらしい。

恋愛を形作る諸要素のひとつに「所有欲」があるといわれます。
本来、所有欲は物に向けられる欲望ですが、恋愛においては人間に対して向けられることが起きるわけです。普通はそれがマズイ方向にはいかないはずなのですが、極端に行き過ぎると「阿部定事件」とか、「Nice boat」になるという感じでしょうか。



まあそこまで大げさではないにしても、本作における「彼女」の行動原理からもまた、Pを自分のモノにしたいという執着を感じます。リボンを結びつけるという行為は、Pを束縛したい、という心理的な欲望の表出とも解釈できますね。そしてその想いが純粋だからこそ、また狂気を感じるという恐怖。





「プロデューサープロデューサー」 四条貴音様


酷くないPの前々作。

この作品も一見ハッピーエンドのようですが、私は一概にそうとも思えません。
うがった見方ですが、自分で選んだこととはいえ最後にPは「人間」というアイデンティティーを剥奪され、完全なる貴音の「所有物」になってしまったとも取れるからです。ちょうどFate/stay nightで衛宮士郎がイリヤのぬいぐるみの中に封印されてしまったエピソードのように。

人としての最期を迎えたほうが、彼にとってずっと幸福な人生だったんじゃなかろうかなどと、素直でない私は思ってしまいます。この作品の貴音はちょっと怖かった。

こちらもホラーのお話作りをバックグラウンドに持ちつつ、純愛と狂気が紙一重で入り混じった一級のエンターテイメントといえるのではないでしょうか。さすがに私の見方がひねくれ過ぎなだけかもしれませんが。



にしても、ホラーを立脚点にしながら、これだけ懐の深いノベマスを生み出す酷くないPは、いったい何者なのでしょうか?正直私はそちらの方がミステリーな気がします。
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.21 2009 アイドルマスター comment0 trackback0

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