スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

【総来訪者10万御礼】書を見つけに町へ出よう

 2016年3月28日に当ブログ「NP氏の本棚」は、総来訪者数10万に到達しました。

 2009年5月の開設から、まもなく7年が経とうとしていますが、これほど長い期間、記事を書いてこられたことは自分でも驚きですし、また見に来てくださった方々のおかげで続けてこられたことをありがたく思います。

 このブログ開設時の主旨は、単にノベマスの紹介ブログにとどまるというものではなく、広い意味で自分が見つけた「素晴らしいと思えるもの」をコレクションし、整理して収めておく場所にしたいというものでした。だからこそ、ブログタイトルに「本棚」という言葉を銘打ったわけです。

 そういう意味では、私のブログでの立ち振る舞いは今も昔も変わっていないつもりなので、よろしければ、これからも末永くお付き合いただけたら嬉しく思います。




 ふらりと立ち寄ったお店で探してたものが見つかった喜びというのは、筆舌に尽くしがたいというお話し。
 

まつり同人三冊


 先日、とある中古同人誌の取り扱い店に立ち寄ったのですが、偶然にも探していた貴重な本(徳川まつり本)が手に入りました。

 いずれも過去1~2年以内くらいに発行された作品ですが、同人誌の流通の形態上、1回でもイベントでの入手を逃すと、後日委託されるもの以外は手に入りにくくなるのが世の常です。特にミリオンライブに関しては、私が本格的にのめり込むまでに時間がかかったため、過去に発行された名作の存在を知ることが出来ても、手元に置くことが出来ないという悔しさを抱えていました。

 そんな中、こうして探していた本がまとめて見つかったことを、本当に嬉しく思います。

 もともと私が学生の時分、都内の古書店を渉猟して貴重書を見つけるのを趣味にしていた人間なので、お店に出向いて「幻の名作」みたいな本を見つける喜びは、何よりも代えがたいことです。



 せっかくなので、感想を執筆がてら、各作品の紹介など。

①恋した彼女は姫にあらず (話:ヒロマさん、絵:四隅さん、発行日:2013年12月)
DSC_0086.jpg

 徳川まつりPコミュニティにおいて、「バイブル」との呼び名も高い作品です。以前から本書の存在自体は知っていたのですが、私がミリオンライブに傾倒するよりも前に発行された作品のため、今日まで入手の機会に巡り会えませんでした。

 表紙を見ていただけたらわかる通り、非常にイラストのクオリティが高く、しかも2013年12月という時点で、これほど深く「徳川まつり」を掘り下げた作品が存在していたことに驚嘆しました。

 2013年当時、まつりの「素の表情」は親愛度セリフなどで浸透しつつあったようですが、広くミリオン界隈に認知されるようになったきっかけは、2013年10月末の「開催!アイドル学園文化祭」で「SR祭りのあと」が出た頃なのかなと思われます(リアルタイムで観測していなかったので、あくまで推測ですが)。
 これに対して、本作は2013年9月13日にすでに元となるコピー本が頒布されていたらしく、非常に先見性を感じさせます。

 本編のお話しはまつり視点で進行しますが、最後に視点がP側に写り、終幕を迎えるという構成です。この視点を変えてのオチのつけ方が素晴らしく、抜群の読後感を演出しています。タイトルの意味も、最後まで読むと本当のニュアンスがわかる仕掛けになっていますね。

 まつりの表情の描かれ方も豊かで、とびっきりの笑顔から、アンニュイなものまで、短いページ数の中にあらゆる角度からアプローチがなされています。

 再販の可能性は絶無と聞いていたので、半ば入手は諦めていましたが、今回手に入れることが出来たことを喜ばしく思います。

***

②チョウジョウイルミモーション (ビ助さん、発行日:2014年11月2日第2版)
DSC_0087.jpg

 徳川まつりをセンターに、ロコ、松田亜利沙の3人がユニットを組むお話し。3人の非常にパワフルな感情表現に加え、物語のテンポが抜群によく、ジェットコースター感のある爽快なコミックスに仕上がっています。こちらも1年以上前、2014年の作品で、初版は14年9月15日です。

 ミリオンライブの面白さの一つは、ユニットを組ませることによる可能性の広がりであり、この点についてはミリオン稼働から3年たった今でも開拓の余地が残されていると思う領域です。今回のユニットは、3人ともそれぞれにパワーのある子たちで構成されており、まつりをリーダーに最強のユニットとしてまとまっていく様が実に愉快ですね。

 まつりはリーダーとしてお姉さんのような落ち着いた表情を、ロコは自分のアーティスティックな才能を全開で発揮する様を、亜利沙はアイドルへの愛の深さとプロデュース力を示す様を、それぞれバランスよく描いていて、各々の魅力を最大限引き出しているように感じられます。

 本作も存在だけはそれなりに知っていたのですが、手に入れる機会はないと思っていました。 今回こうして自分のコレクションに迎えられてよかったと思える、至高の一冊です。

***

③ヒメサマノリボン (すがるこさん、発行日:2014年11月30日)
DSC_0088.jpg

 私が特に信頼しているまつりPにして、物語性豊かなを作品を上げていらっしゃる、すがるこさんの作品です。実は本書に関しては過去に発行されていたこと自体を知らなかったため、書店で見つけて驚きました。

 手に取ると、まずはチャーミングなまつりの表紙が目を惹きます。リボンをほどいた姿に素の「徳川まつり」を、シルエットに描かれたリボンに「まつり姫」としての在り方を、それぞれ一枚絵の中に表現されているのかな、と私は感じました。

 本書のストーリーは、徳川まつりの「人間味」に迫った意欲作。まつりはあまりにも万能の強キャラと思われているせいか、しばしば彼女にはPは不要ではないかとか、アイドルとして成長の余地がないのではないかと言われることがあります。

 しかし彼女もまた19歳の女の子。まつりが壁にぶつかるとしたら、それは何なのか? 

 そのテーマへのアプローチとして、「周りのアイドル達が、急激に成長していく様子をまつりが見たらどう思うか」、「『まつり姫』という生き方を変化させることへの躊躇い」に焦点を当てたことは、とても鋭い視点だと思います。

 まつりPとして、本書を手元に置くことが出来た幸せ。
 徳川まつりと、彼女を囲むアイドル達への温かく優しい目線を感じられる作品です。

***
 
 今回見つけて来た作品は以上です。

 どの御本も名作なのはもちろんのこと、中古品ではありましたが購入時点での保存状態がとても良く、前の持ち主の方達が大事に扱っておられたことがわかります。

 このブログでたまに特集しているアイマス同人誌紹介では、なるべくリアルタイムに、新刊で出たものを中心に取り扱っていきたいところですが、たまにはこうして過去の名作を紹介するのも良いかと思いました。

 これからも、素敵な作品との出会いを心待ちにしたいものです。
 
スポンサーサイト
.31 2016 徳川まつり comment0 trackback0

1897年撮影の剣術の古映像について

 twitterの方で少し触れた内容ですが、自分の趣味用に作ったあちらのアカウントで書くのも場違いな気がしたので、ブログの方に改めて書いておきたい思います。

1897 Itto Ryu film


 さて、つい先日Youtube上にアップロードされたこちらの映像。1897年(明治30年)に日本(京都?)で撮影された剣術の稽古映像と言われている、非常に古く、かつ貴重な映像です。

 どのくらい貴重かというと、かのエジソンがキネトグラフ(撮影機)とキネトスコープを発明したのが1891年ごろ、さらにリュミエール兄弟がシネマトグラフを発明し、現在の映画と同じスクリーン投影方式と撮影技術を確立させたのが1895年ごろですから、1897年に撮影されたこの映像は、世界の映像史のまさに最初期の作品と言えるものです。

 私も映像史を詳しく研究しているわけではないのですが、おそらく現存している日本武道の古映像としては、史上最古のひとつではないかと考えられます。

***

 もともと2014年ごろにも同じ映像が上がっていたのですが、画質が非常に見にくいものだったため、細部がよくわからないという難がありました。
 今回、非常に見やすい画質の映像としてアップロードされたため、初めて細かいところまで観察することが出来るようになったことはありがたいと思っています。

Japanese men at Kendo, 1900's Film 91146 (過去に上がっていたもの)


 この映像の撮影者は「コンスタン・ジレル」という人物とされています。ジレルの業績については、下記のサイトに詳しくまとまっていますので、ぜひご参照ください。日本における映像史のはじまりが、実にわかりやすく説明されています。

エキゾチック・ジャパン!~映画日本上陸~ 第1章-映画の誕生(6)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~st_octopus/MOVIE/BIRTHOFMOVIE/6JAPAN.htm

 



 さて、ここからが本題なのですが、まず上記の古映像で撮影されているのは、ある剣術流派の稽古風景であるということです。

 日本の武道文化に詳しい人が見れば、画面左奥の人物が大きな籠手を腕にはめている特徴をもって、伊藤一刀斎景久→小野次郎右衛門忠明の系譜につながる、「一刀流」剣術系の映像であることを推定できると思います。
 
 古映像を見る限り、組太刀(いわゆる剣術の形)の所作や手順も、現代に伝わっている「小野派一刀流」剣術とほとんど同じです。
 実際、私も今回のリマスター版の映像を見るまでは、小野派一刀流の古映像だと思いこんでました。Youtubeの投稿者コメントにも「This is a demonstration of Itto Ryu (probably Ono ha) 」とありますね。


小野派一刀流(現在)



 ただ、Twitterで他の方からもすでに指摘が上がっている通り、この古映像は「小野派一刀流」ではなく、そこから分化した「北辰一刀流」のものではないかという説が出てきました。現在は私もそれに同意です。

北辰一刀流(現在)


 北辰一刀流といえば、世間的にはこの流派を学んだ坂本竜馬、山南敬助、吉村貫一郎といった、幕末期の人々を思い出す方が多いのではないかと思います。北辰一刀流は竹刀稽古を発達させた流派として知られていますが、実は伝わっている組太刀(形)は、元となった小野派一刀流の手順や構成とほとんど同じです。

 しかしながら、一応、小野派一刀流と北辰一刀流を見分けるポイントがあります。

 それは「組太刀の1本目と4本目の所作の最後に、仕太刀(一刀流でいうと籠手を着けない方)が、「下段の構え」に取るか、それとも「上段の構え」に取るか」という点です。

 まず基礎知識として、小野派一刀流、北辰一刀流という流派は、ともに「大太刀五十本」という組太刀の形が中核となっていることを知っていただきたいと思います。この50本の形は、さらに5本一組で10組に分かれています。このうち、一番最初の5本セットの組を「ヒトツカチ(一つ勝ち)」と言い、「①1本目(ヒトツカチ・切落)、②2本目(迎突)、③3本目(鍔割)、④4本目・下段霞、⑤5本目・脇構の付」の5つで構成されています。
 今回紹介した映像は、すべてこの最初のヒトツカチの組の1本目から順に演武しているものとなっています。


 では、上記3つの映像の中から、最初の1本目と、4本目の動きに着目しながら映像を見てみます。

 小野派一刀流(現在)の映像では、最後に籠手を打った後、仕太刀(籠手を着けていない方)が切っ先を下ろし、「下段の構え」にとって残心を取ります
 これに対して、北辰一刀流(現在)の映像では、最後に籠手を打った後、仕太刀は切っ先を頭上に上げ「上段の構え」に取っていることがわかりますでしょうか。


 たいした違いじゃないのでは、というご意見はもっともなのですが、史料で確認される限りにおいて、この1本目と4本目の最後を上段の構えに取るのは、北辰一刀流になってからの工夫とされています。


史料の記載は次の通りです。

【小野派一刀流の覚書より抜粋】
一 一ツ勝
打太刀陰ヨリ打 遣方清眼ニテ切落シ 左ノ手ヲ切勝 下段ニ取位

一 下段ノカスミ
打太刀下段ノカスミニカマエ居ル 遣方下段ヨリ付 打太刀廻シテ手ノ内ヲ切 下ケテ右ノ手ヲ切 下段ニ取位


これに対して、北辰一刀流は次のような記載です。

【北辰一刀流組遣様口伝書の記載】
・(1本目)一ツ勝
(利)晴眼にて出(頭を打って)切落し、咽を突き、左甲手を打ち、上段 小野派一刀流にては下段也 今先生改めて上段となす

・(4本目)霞(下段の霞とも云ふ)
(利)下段にて出場合になりたる時、敵の太刀先、上より太刀の刃方にて付け仕掛る(内小手を払切にするを)打落し、直に内小手を切上段 小野派にては、あと下段なり 今改む

 その他、千葉栄一郎編の「千葉周作遺稿(1942)」でも同様の記述を確認できました。
 ただし内藤伊三郎編の「北辰一刀流剣法(1906)」では、1本目を上段、4本目・下段霞を「(最後は)下段」と書いてあるのですが、この辺りは誤記なのか、それとも内藤先生の学んだ伝系では下段にしていたのかは不明です。

 いずれにせよ、組太刀の1本目と4本目の終わりに「下段に取るのが小野派」、「上段に取るのが北辰」と見ていただいてよいでしょう。

***

 以上の知識を頭に入れたうえで、もう一度最初の古映像、つまり1897年の一刀流の映像を見てみます。
 すると、1本目と4本目の形の最後に、仕太刀が籠手を打った後、「どちらも上段の構えを取っている」ことが見て取れます。
 これまで述べてきたように、この特徴は小野派一刀流ではなく、北辰一刀流の特徴と言えるものです。

 よって、この古映像は「1897年の北辰一刀流の稽古の映像」の可能性が高い、と言えるのではないかと思います。

***

 残念ながらこの映像は7本目・陰刀の途中で途切れているため、全容は明らかではないのですが、映像史にとっても、武道史にとっても、また日本史にとっても、非常に貴重な史料であることは間違いないかと考えます。

 こういった古映像からも、武道史に関心を持っていただける人が出てきてくれると、非常に嬉しいですね。
 
.05 2016 武道 comment2 trackback0
 HOME 

プロフィール

NP

Author:NP
 NovelsM@sterの紹介をメインに活動している「NP」と申します。動画サイトでは「ニコラスP(NicholasP)」名義を用いています。

多機能カテゴリー

<< 全タイトルを表示 >>

カテゴリ展開メニュー

  • 未分類(14)
  • はじめに(2)
  • NP氏の本棚ポータル(1)
  • アイドルマスター(639)
  • アイマスライブ(5)
  • 武道(45)
  • ニコラスP(19)
  • 徳川まつり(23)
  • ニコニコ動画(32)
  • 日常の徒然(15)
  • ファルコム(4)
  • 社会(9)
  • TV(16)
  • コミックス(1)
  • 東方プロジェクト(15)
  • 声優(5)
  • 本(2)
  • 音楽(9)
  • ゲーム(4)
  • ヴァンプリ(3)
  • 艦隊これくしょん(1)
  • イラスト紹介(0)
  • RWBY(2)
  • 月別動画蔵出し(5)
  • ノカデミー賞(ノベマス)(2)
  • ノベマス特集企画(5)
  • ニコマス20選(15)
  • ノベマス・過去作ふりかえり紹介(2)
  • novem@s exchange!(2)

来訪者

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。